人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を的確に解決します

173.労使間トラブルを防止するための就業規則の定め方(第2章 採用・異動等)④

今回は、〔第2章採用・異動等〕のうち、〔第2節異動〕について解説します。

異動の種類には、業務内容の変更、就業場所の変更、社内等級の昇格・降格、役職の任免、出向、転籍などがあります。

会社にはこれらの人事異動を行う権限がありますが、トラブルを避けるためには、起こり得る異動については規定に定めておくのが良いでしょう。

 

第2節 異動

第〇条(業務及び就業場所の変更)

会社は、業務上必要がある場合は、社員に対して従事する業務及び就業する場所の変更を命じることがある。

2 前項の場合、社員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。

 

業務内容や就業場所を限定して採用した場合以外は、社員は異動命令を拒否することはできません。ただし、就業場所の変更については、労働者の育児や介護の状況を配慮しなければならないことになっています。直接的な表現はしませんが、「正当な理由」という部分に含まれています。

 

第〇条(昇格・降格)

会社は所定の審査により、社員の〇〇等級を昇格または降格させることができる。

 

職能等級や役割等級を設ける場合は、昇格の他、降格もあり得ることを明記しておきましょう。昇格や降格は給与に影響しますので、昇格・降格の基準等は給与規程で定めるのが良いでしょう。

 

第〇条(役職の任免)

会社は、業務上の必要がある場合は役職の任免を行うことができる。

2 役職に就いた者が次の年齢に達したときは役職定年とし、当該役職を解く。ただし、会社が必要と認めた場合は、役職定年年齢を超えて役職に就かせる場合がある。

 ①部長 57歳

 ②課長 55歳

 

役職も給与に影響しますので、等級同様に給与規程等で定めましょう。また、役職定年制を導入するかどうかは任意ですが、導入する場合は役職を解かれた社員の処遇について充分に検討する必要があります。

 

第〇条(出向)

会社は、業務上必要がある場合は、社員に対して会社に在籍したまま関係会社への出向を命じることがある。

2 前項の場合、社員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。

 

第〇条(転籍)

会社は、業務上必要がある場合は、社員に対して関係会社への転籍を命じることがある。

2 前項の場合、会社は社員の同意を得て行うものとする。

 

出向は会社との雇用契約は継続したままですが、転籍については会社との雇用契約が終了しますので、社員の同意を得てから行うようにしましょう。

次回に続きます。

 

人事・労務ランキング社会保険労務士ランキング

スポンサーリンク