今回からは、労使間トラブルを防止するための就業規則〔第2章 採用・異動等〕について解説します。
採用・異動等のカテゴリーには、採用の他、異動等の内訳として①所属・職務の異動、②昇進・昇格および解任・降格、③出向・転籍、④休職・復職があります。これらを第1節、第2節と分けて記載すると分かりやすいでしょう。
先ず第1節として採用について記載します。
第2章 採用・異動等
第1節 採用
・第〇条(採用手続)
会社は採用選考試験を行い、これに合格した者を社員として採用する。
具体的な選考試験の内容、合格基準等については、正社員、契約社員、パートタイム社員等別に「採用選考基準」のような別規程を設けて運用するのが良いでしょう。その際に、正社員、契約社員、パートタイム社員等の雇用区分の違いを明確にしてください。
・第〇条(採用時の提出書類)
社員として採用された者は、採用された日から〇日以内に次の書類等を提出しなければならない。
2 前項により提出した書類等の情報に変更が生じた場合は、速やかに所定の届を会社に提出しなければならない。
この条は各社の事情に合わせて必要な書類等を列挙してください。
一般的には、履歴書、住民票記載事項証明書、マイナンバーカード、社会保険加入に必要な情報として年金手帳、雇用保険被保険者証、給与支払いに必要な情報として扶養控除等異動申告書、前職の源泉徴収票、給与振込口座届、その他には雇入時健康診断結果、誓約書、身元保証書、保有資格の資格証などですが、あまり細かく記載すると限定されてしまいますので、最低限の内容にとどめ、「その他会社が指定するもの」という一文を追加しておくのが良いでしょう。具体的には個人ごとに「提出書類一覧」を示して通知します。
そしてこれらの情報のうち、現住所や家族情報、資格取得情報等は、通勤手当や扶養控除、各種手当などの給与計算や、社会保険の被扶養者の資格得喪に関係しますので、変更が生じた場合には速やかに届け出させる必要があります。
・第〇条(個人情報の利用目的)
会社に提出されたマイナンバーの情報は、会社が税務上及び社会保障上の手続き、その他法令で認められた手続きの目的のみに利用し、その他の情報は人事異動、賃金の決定、教育訓練、健康管理その他人事管理上必要な手続きの目的に利用する。
個人情報の利用目的、特にマイナンバー情報の利用目的は限定して通知する必要がありますので、就業規則に明記しておくと良いでしょう。
次回はこの続きを解説します。