人事労務の「作法」

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167.労使間トラブルを防止するための就業規則の定め方(はじめに②)

前回、就業規則を定める際の基本的な事項について解説しました。今回はそれらの基本的な事項を踏まえたうえで、具体的に明文化する際の注意点について解説します。

 

就業規則を作成・運用する際は、以下の4つの点に留意する必要があります。

1. 法令の基準を遵守すること
就業規則の内容は、常に法令に合致していなければなりません。「年俸制だから残業代は支払わなくてよい」とか、「パートタイム労働者には有給休暇は不要である」といった誤った認識で規定を設けても、法令に反する部分は無効となり、自動的に法令の基準が適用されます。また、法令は定期的に改正されるため、作成時に適法であっても、法改正によって基準が変更になることがあります。したがって、毎年最新の法改正情報を把握し、必要に応じて就業規則をアップデートしていく体制が不可欠です。

2. 自社の実態に即した内容にすること
就業規則を一から作成する際、厚生労働省の「モデル就業規則」などのサンプルを参考にすることが多くあります。しかし、これらをそのまま自社に適用するのではなく、自社の実態に合わせてカスタマイズしなければなりません。特に、業種・業態や企業規模などを十分に考慮し、自社に最適なサンプルを見極めて取り入れることが重要です。

3. 確実に遵守できる「最低限の基準」を規定すること
対外的なアピール(先進性の誇示など)を目的に、「週休3日制」や「法令の2倍の有給休暇付与」といった手厚い規定を設けること自体は自由です。しかし、これが遵守されなければ規程違反となります。後から運用の難しさに気づき、「週休2日制」や「法令通りの日数」に戻そうとしても、これは労働者に対する「労働条件の不利益変更」にあたり、原則として認められません。まずは無理なく守れる基準を規定することが鉄則です。

4. 曖昧な表現を排除し具体的に記載すること
例えば、試用期間中の解雇(本採用の見送り)事由について、「社員として不適格と認めた場合は本採用を取り消す」といった抽象的な規定だけでは、具体的にどのような状態が不適格なのかが不明確です。トラブルを防止するためには、不適格と判断する具体的な要件(勤怠不良、業務指示の拒否など)を列挙し、どの事由に該当するのかを客観的に示せるようにしておく必要があります。

 

明文化する順番は任意ですが、一般的には採用、服務、労働時間、休暇、賃金、退職・解雇、安全衛生、表彰・懲戒といった入社から退職までの流れに沿った配置が分かりやすいでしょう。次回以降具体的な規程の内容について示します。

 

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