ある調査では、世界の主要国(G7)の中で日本の働きがいが相対的に上昇しているというアンケート結果がありました。2021年度の調査では最下位だったのが、2025年度には3位に上昇したというものです。
2021年当時はコロナ禍の最中で、それまでの日本の企業では、毎日オフィスに出社し、紙の書類を回覧する文化が主流だったのが、急速に在宅勤務やペーパレス化が普及し、働きやすさが改善したと感じたことが要因の一つです。
設問別にみると、欧米諸国が「会社の利益は公正に分配されている」や、「会社の人は裏工作や誹謗中傷しないように心掛けている」が日本よりも肯定意見が少ない結果でした。公正な人事評価が実施されていたり、コンプライアンス意識の高まりが日本企業ではみられるということでしょう。
一方で、「この会社で自分らしくいられる」や「経営、管理者層は近づきやすく気軽に話せる」については、日本企業が欧米諸国に比べて肯定意見が少ないようです。日本ではまだ「出る杭は打たれる」傾向にあり、上司との関係性も希薄だということなのでしょう。
以上の結果から推察すると、日本企業は組織としては正しい行いを実施していると感じていながらも、従業員個人個人にとっては必ずしも居心地が良い場所とは感じていないのかもしれません。とすると、この調査で日本が1位になるのはなかなかハードルが高いように思います。
働きがいのある会社で思いつくのは、米国のGoogle社です。
Googleでは個人を尊重する社風があり、チームメンバーをお互いに信頼し合い、失敗を恐れずにチャレンジできる背景には「心理的安全性」が担保されていることが必要とされています。心理的安全性が担保された職場では、高い生産性が発揮できるというものです。
日本企業で見られるような、部下が上司の顔色を伺いながら、自分の意見を押し殺して上司に迎合している環境で心地よいのは上司だけです。
一方で、共通の目的を示し、その目的に向けてメンバーがお互いに協力し合える組織を構築できるのも上司だけです。
日本企業の働きがいを今以上に高めるためには、上司である管理職の役割が重要だということです。この調査を通じて、日本企業の課題が見えてきます。