前回、公的年金を利用した老後資金を増やす方法(160.老後資金を増やす方法 - 人事労務の「作法」)をご紹介しました。その他にも、あまり知られていませんが有効な方法がありますので、今回ご紹介します。
国民年金の付加年金制度はご存じでしょうか。
付加年金とは、国民年金の第1号被保険者や60歳以上65歳未満の任意加入被保険者が月額400円の付加保険料を納付することで、老齢基礎年金に上乗せした年金給付を受けられる制度です。国民年金は、会社員が加入する厚生年金に比べ金額が十分でないことから、自営業者などの第1号被保険者にとっては、付加年金制度は少額の掛け金で手軽に増額できる大変有効な制度と言えます。
具体的には、月額400円の付加保険料を納付すれば、納付した月数に200円を乗じた額の年金が生涯にわたって老齢基礎年金に上乗せされる仕組みです。例えば、20歳から60歳まで最長40年間(480月)付加保険料を納付すれば、総額192,000円(400円×480月)の負担になりますが、年間96,000円(200円×480月)の付加年金が支給されます。つまり、付加保険料を何ヶ月支払ったとしても、2年で元が取れる計算です。また、支払った保険料は全額社会保険料控除として所得控除されるのも魅力です。更には、老齢基礎年金と同様に繰り上げ受給、繰り下げ受給も可能で、同じ減額率・増額率が適用されます。
これほど魅力的な付加年金制度ですが、制度の存在自体あまり知られていないこともあって、加入者は第1号被保険者の2~3%程度ともいわれています。自営業者などの第1号被保険者で老後資金を増やしたいと考えている方は、若いうちからできるだけ長く付加保険料を納付することをお勧めします。
ただし、デメリットがあるとすれば、本体の老齢基礎年金と違って物価スライドは適用されませんので、インフレにより実質的には金額が目減りする可能性はあります。
前回も記載したとおり、老後資金は公的年金が中心となりますが、その仕組みは複雑で、付加年金のように申請しないと加入できない制度もあります。そもそも年金は請求しないと支給されません。年金に関する情報は色々と出回っていますが、自身に必要な情報を見極めて取り入れることが重要です。