人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を的確に解決します

144.受援力を身に付けましょう

2026年がスタートしました。年末年始9連休のあと、今日が仕事始めという人も多いかと思います。

年末年始に限らず、休みが続いた後、翌日からの仕事のことを考えると、何となく憂鬱になるものです。特に初日が月曜日の場合はなおさらです。

このような症状が出る原因は、仕事がしたくないという拒否反応ではありません。休みの間、緩んでいた緊張が再び張り詰める前の自然な反応なのでしょう。自身の仕事で求められる成果、責任、プレッシャーなどが一気に押し寄せるのでしょう。

もともと、日本人は責任感が強く、自分の仕事を他の人に手伝ってもらうことが苦手な気質を持っています。そのような気質が、休み明けの憂鬱感をさらに強めているのです。

そこで、現在のビジネスパーソンに身に付けてもらいたい能力の一つに「受援力」というものがあります。受援力とはもともと「災害時などに支援を受ける、受け入れる力」という意味で防災用語として使われてきた言葉です。2011年の震災以降、支援を効果的に受け入れる手段として注目されています。

そして今、企業においても、困ったときに「手伝って」とか「助けて」とお互いに遠慮なく言える関係性の構築が求められています。コロナ禍以降、リモートワークの進展により、社内における偶発的なコミュニケーションが減少し、成果主義の拡大により他人の仕事ぶりなど気にしていられない状況が見られます。

その結果、誰にも相談できずに精神的に追い詰められてメンタル不調に陥ったり、一人で抱え込んで取引先企業に対して自社の信用を損なう事態も引き起こしかねません。

受援力を発揮することで、お互いに頼り合い、組織のパフォーマンスが向上し、個々人の能力の総和以上の成果が得られるといわれています。ただしその前提には、Google社が示したように、「心理的安全性」を担保する必要があります。心理的安全性が担保されるのは「一人一人が自分らしく働いている状態」、「安心して何でも言い合える状態」、「否定されないと感じる状態」のことです。

心理的安全性を高めるのは管理職のマネジメントによるところが大きいでしょう。リモートワークが中心であっても、成果主義を徹底していても、部下に対して押し付けではないコミュニケーションを心掛け、心理的安全性を高める工夫をしてください。

次の休み明けには憂鬱感が少し軽減するかもしれません。

 

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