人事労務の「作法」

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140.指導票を労働環境の改善に利用しましょう

前回、36協定の内容に関わらず、時間外労働が1ヶ月45時間を超えている労働者がいた場合に指導票が交付される可能性があることを説明しました。そこで今回は、このような指導票が交付された時に、どのような是正報告書を提出すれば良いかを説明します。

前回も述べた通り、改善に向けて積極的に取り組む姿勢を示すことが重要です。単に「時間外労働が45時間を超えないように管理を強化します」だけでは具体性に欠けます。

まず、時間外労働が45時間を超える労働者が多数存在する場合は、そもそも業務に対して人手が足りていないことが考えられます。このような場合は、採用人数を増やしたり、他部門からの配置転換によって、一人当たりの負荷を減らすということを実行すべきでしょう。

一方、特定の労働者だけが時間外労働が45時間を超える状態である場合には、ある業務を遂行するにあたって必要な能力、経験、資格等を保有する労働者が限られ、特定の労働者にのみ負荷がかかっている可能性が考えられます。このような場合は、そのような能力等を保有した労働者をピンポイントで中途採用するなどの対策が必要となるでしょう。

このように時間外労働が45時間を超える労働者の状況に応じて、対策を講じて実行しますという内容の是正報告書を提出すればよいでしょう。当然、このような報告をした以上は、具体的に実行した成果を追加で報告を求められることがありますので、報告しっ放しというわけにはいきません。具体的に実行に移す必要があります。

もう一つ、時間外労働が45時間を超える労働者が存在する原因として厄介なのは、人手が足りないわけでも、特定の能力等を保有した労働者が他にいないわけでもなく、労働時間を労働者の自己申告に任せている状態が考えられます。

このような状態では労働者の生産性は低くなり、所謂ダラダラ残業が増え、管理者側もそれを黙認している状態かもしれません。労働者のモチベーションも低い状態でしょう。

このような実態が読み取れるのなら、労働基準監督署の指導を契機と捉え、社内の改革に取り組む良いきっかけとなります。社外のコンサルなどを迎え入れ、人事制度を含めた制度改革と労使双方の意識改革に取り組むことを是正報告に記載してはどうでしょうか。

労働者から見れば、急に管理が厳しくなったと受け取られがちですが、労働環境の改善に向けて労働基準監督署の指導が後押しとなるのです。

 

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