人事労務の「作法」

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130.メンタル不調からの現実的な復職対応(その2)

前回の続きから記載します。

主治医が現段階で休職前の業務に復帰することは難しいと判断した場合、一つの方法としては業務内容や所属部門を変更して復職させることです。

元の業務への復帰を前提に、軽作業というわけにはいかないですが、業務負荷軽減を考慮しましょう。ただし、業務負荷を軽減するのは一時的で、あくまでも元の業務に復帰するためのリハビリ期間と捉え、概ね3ヶ月程度で元の業務に戻ることを目標とします。軽減した業務に慣れてしまうと、元の業務に戻ろうという意欲が途切れてしまうからです。

しかし、メンタル不調に陥った原因が職場の人間関係にあったのなら、その関係性を解消すれば良いのですが、業務そのものがメンタル不調の原因であったのなら、多少のリハビリ期間を設けても元の業務には復帰し難いものです。この場合は、一時的ではなく完全に業務内容や所属部門を変更する必要が出てきます。

ただし、職務を限定して採用したジョブ型雇用の場合、業務内容の変更には本人の同意が必要です。また、職務の変更に伴って賃金額が変更になることもありますので、併せて同意を得る必要があります。

主治医が現段階で元の業務に復帰することが難しいと判断した場合のもう一つの方法は、回復するまで待つということです。中途半端な状態で復職し、仮に一時的に業務を軽減しても、回復途中にあった場合は再発のリスクがあります。一度復職しても再発した場合は本人も自信を失い、次の復職が大変難しくなります。完全に回復してから復職させるというのが一番良い方法です。

しかしながら、休職期間にも限度があるため、やがて復職か退職かの判断を迫られる段階がやってきます。この段階でまだ回復が不完全な場合は、無理に復職させるよりも、退職とした方が再発のリスクを考慮すると不安は少ないでしょう。

ここで可能であれば、退職となるが後々回復したら再入社を検討することを伝えておけば、この社員も安心して治療に専念できるでしょう。もし本当に回復したという連絡があれば、経験者として中途採用を検討すればよいわけで、未経験者を採用するよりも効率的です。

以上、4回に亘ってメンタル不調からの復職にあたってのポイントを解説しましたが、決してすべての人に通用する正解というものはありません。やはり、個々人の状況に応じた対応が必要になります。

 

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