前2回において、メンタル不調からの復職時の理想的な手順とその際の想定外の事象について示しました。そこで今回は、想定外の事象が起きた際の現実的な対応方法について解説します。
まず、休職中の社員への連絡は基本的にはメールで行いますが、業務上使用しているアドレスは使いません。業務に関する連絡が入っている可能性があり、それを見て更にストレスが増幅することもあるため、業務とは関わりない個人的なアドレス宛に連絡します。そのために、入社時及び年1回程度は緊急連絡用の個人アドレスを届け出させるのが良いでしょう。
返信がない場合がありますが、基本的にはメールを見てはいるが返信ができない状態でしょう。そのようなときには、あまり急かさない程度に、日時を指定して自宅を訪問する旨連絡することも有効です。できれば産業医や保健師に同行してもらい、話を聞いてもらうことができればベストです。あくまでも社員の健康を慮っての提案だということが伝われば、自宅訪問を受け入れてくれなくても、返信がもらえたり、自宅近くのカフェなどでの面談が実現しやすくなります。
次に、主治医からの診断書に復職にあたっての制約が多く記載されている際の対応です。復職当初の残業制限は必要なことですが、業務内容の制限、例えば「軽作業から始めることが望ましい」といった記載があれば注意が必要です。
休職した社員は元々軽作業を行っていてメンタル不調に陥ったわけではなく、その企業の中枢を担う業務をバリバリとこなしていたはずですので、そもそも軽作業など存在しないのです。主治医が「軽作業から」という診断書を書く背景には、患者である社員の元々の業務内容を理解していない可能性があります。社員側も色んな想いからメンタル不調に陥った本当の原因を主治医にうまく伝えられていなかったり、あるいは自分でも理解できていない場合もあります。
このようなときは、社員の同意を得て人事の人間が主治医と面談したり、あるいは通院に同行したりして、この社員の本来の業務内容を主治医に伝え、多少のリハビリ期間を設ければその業務に復帰できる状態かどうかを確認する必要があります。
実情を話すと、主治医は休職前の業務に復帰することは難しいと判断することがあります。となると、業務内容あるいは所属部門を変更して復職させるか、復職のタイミングを先送りするかという判断が必要になります。
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