人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

106.資産運用は長期投資と分散投資が原則です

人事労務の話ではないと思われるかも知れませんが、確定拠出年金の話ですので、これもこのブログで取り扱う範疇です。

確定拠出年金とは、企業年金の一種で、事業主が拠出する掛金を加入者である従業員が自己の指示で運用した結果を老後の年金資産として受け取る制度です。

新入社員など新たに確定拠出年金制度に加入する者に対し、投資教育を行うことが義務付けられており、今年も実施したところです。ちょうどトランプ関税の影響で株価が乱高下した時期であり、説明には苦慮しましたが、資産運用の基本は「長期投資」と「分散投資」である事は間違いないでしょう。

下のグラフは過去20年間の日経平均株価の騰落率を年ごとに示したものです。

2013年のアベノミクスによる50%を超える上昇の反面、2008年のリーマンショックでは40%以上下落しています。このように単年度でみれば、株式への投資はリターンのブレ幅が大きくリスクが大きい商品と言えます。

ところが、同じ20年で、直近10年間の平均騰落率をグラフ化すると下のようになります。

あれほど荒っぽくブレていたリターンが、プラスマイナス10%以内に収まります。直近20年で平均すれば、恐らくさらに落ち着き、すべての年でプラスに転じるものと思われます。

このように、長期投資はリスクを低減させる効果があることは実証済みで、若い社員であれ40年近く運用することになりますので、確定拠出年金の運用においては意識せずとも自動的に組み込まれます。

一方、分散投資については、各自が意識的に取り組む必要があります。

投資の世界には「一つのカゴにすべての卵を盛るな」という格言があります。カゴをひっくり返してしまえばすべての卵が割れてしまいますが、カゴを分けておけば残ったカゴの卵は救われることから、分散投資の重要性を例えたものです。

問題はどのような資産に分散するかであって、今回のトランプ関税による世界的な株安に円高ドル安が重なると、国内株式、海外株式とも短期的に値を下げます。やはり、基本的な4資産(国内債券、国内株式、海外債券、海外株式)にバランスよく分散し、あとは各自のリスク許容度に応じて各資産のウエイトを調整することでしょう。

資産運用に王道はありません。リスクをいかにコントロールするかがポイントです。

 

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