人事労務の「作法」

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105.入社式での社長の訓示から企業が見える

新年度が始まりました。

4月1日にはどこの企業でも入社式が行われ、ニュースでも入社式の様子が紹介されるのは毎年の光景です。

入社式といえば、社長が新入社員に訓示を行うのが通例です。内容は各社様々ですが、目的はその企業の一員となることの自覚を持たせ、企業の顧客や社会に対する存在意義を認識させることにありますので、社長自身の言葉で分かりやすく簡潔に、そして何よりも誠意をもって語り掛けましょう。

社長が若かったころにモーレツに働いた話は、今の若者には通用しません。また、インセンティブを強調するあまり、顧客の利益を度外視したような話も不適切です。顧客や社会の要請に応じて企業が進化し、その要請に応えることで信頼を得て企業が発展するのだという、企業の存在意義を説くことが社長の役割です。そして企業の発展に併せて社員も、人間的にも経済的にも豊かになるのだというところまで語りましょう。

そのような中、今年もすでに退職したり、退職を検討している人がいるようです。入社初日に退職代行サービスを利用して退職した人が昨年に比べ急激に増えたというニュースもありました。

理由は様々でしょうが、入社式の最中に社長が新入社員ともめて、皆の前で怒鳴ったというケースもあったようです。新入社員の態度が悪かったのかもしれませんが、社長の浅はかな行動は、企業の存在意義を自ら全面的に否定するようなものです。この新入社員に対してだけではなく、他の社員や顧客からの信頼も損ねます。

また、配属された部署での仕事が聞いていた内容と違っていたり、上司によるパワハラが横行していたりといった理由で退職する人もいます。

これらも元をたどれば、社長の企業経営に関する姿勢を反映したものだと思います。社長がいくら企業の存在意義を説いていても、それが上辺だけの姿で、本音は顧客を顧みず利益を追求することにあれば、社員はそれを見透かしています。それがモラルやコンプライアンスに反した行動となって表れるのです。

企業は社長の言動次第でどの方向にでも進んでしまいます。入社式での社長の訓示からその企業が見える気がします。

 

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