人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

099.確定申告を有効に活用しましょう

確定申告の時期です。

会社員などの給与所得者は、基本的には勤務先での年末調整で所得税の課税関係は完結する仕組みですが、以下のような人はこの時期に確定申告する必要があります。

1.勤務先での年収が2000万円を超える人

2.勤務先以外からも給与を受け取った人

3.副業による事業所得などが20万円を超える人

このうち、1の人については会社で把握できますので、敢えて年末調整は行わず、確定申告するように案内します。2,3の人についても会社で該当者を把握できる場合もありますので、個別に案内ができます。

一方で、次のような人は確定申告することで税金の還付を受けることができる場合がありますが、会社では誰がそれに該当するかを把握できず、案内が行き届かないこともあります。

4.年末調整の申告をした後、年末までに出産等で扶養家族が増え、1月給与でも再年末調整できていない人

5.年末調整の申告をした後、未申告の保険料控除証明書が出現し、1月給与でも再年末調整できていない人

6.負担した医療費の合計が10万円を超えた人

7.住宅ローンを組んでマイホームを購入した1年目の人

8.ふるさと納税等で寄付をした人

本来税金の還付を受けられるにもかかわらず、確定申告を行わないことでそのチャンスを無駄にしてしまうのは勿体ないことです。人事からの案内の有無にかかわらず、この時期には国税庁のHPや各マスコミでも確定申告の特集を行っていますので、自分は該当しないかを是非気にかけてください。

一番避けたいのは、社員が年末調整で扶養親族として申告していたにもかかわらず、実際はその親族の所得が限度額以上にあり、扶養親族に該当しなかったケースです。このようなときは数年後に会社宛てに扶養是正確認が管轄の税務署から届きます。大抵は税務署の指摘通り、扶養親族には該当せず、遡ってその社員の給与から不足税額を追加徴収します。

人事としては何も落ち度はないのですが、社員から「今頃になって余計な税金を負担させられた」と思われがちであり、とても心外です。ですから、扶養親族に該当するかどうかの判断は慎重に確認することを周知しているところです。そして、もし扶養親族に該当しないと判明すれば確定申告で修正しましょう。

ちなみに、筆者も本日確定申告を済ませました。

 

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