人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

098.それでも管理職に就任してみませんか

このブログを開設して2年近く経過し、投稿記事が100件に近づいてきました。

時々、過去の投稿を読み返すのですが、これだけの投稿があると、当時の考えがさらに発展したテーマや、逆に違った考え方をするようになったテーマもあります。今回はそのようなテーマの中から一つ紹介します。

元の記事はブログ開設間もない2023年6月の以下の記事です。

007.管理職に就任するのもいいものです - 人事労務の「作法」

最近の若手社員の中には、管理職に就任することを望まず、今までの業務の延長で活躍したいと考える人が増えている現状について論じたものです。理由は責任が伴う一方で処遇面でのメリットが少ないことが一因ですが、筆者としては管理職に就任してみないと見えない世界があるので、管理職就任も悪くないという意図で記載しました。

ところが最近、少し考え方が変わってきた部分があります。

元々昭和から平成の初期の頃は、会社の中でどれだけ出世するか、同期の中で一番先に課長になることを目指して働いていた時代です。その反動で、平成の中期以降、働きすぎが原因で過労死問題が起き、ワークライフバランスが注目されるようになり、仕事よりも自分の生活を重視する考え方が浸透し、管理職に就任することを希望しない社員が増えてきたという状況です。前回の投稿はこのあたりの現状に対して、それでも管理職に就任してみませんかと投げかけたものです。

ところが令和に入って、さらに進化した考えで管理職に就任することを希望しない若者が増えてきていると感じています。

ワークライフバランスは仕事と生活を別のものと切り分けてバランスさせる考えですが、最近は「ワークライフインテグレーション」として、仕事と生活を切り分けるのではなく統合する考え方が浸透しています。いわば人生の目標達成のために仕事を利用している人が増えているということです。その目標達成のためには管理職就任は必ずしも必要ではないということでしょう。

ただ、昭和、平成の時代を生きてきた筆者としては、それでも管理職就任には意義があると考えています。人生目標達成に向けて会社の機能を利用することは、会社に対する背任行為に該当しない限りは構わないですが、それが管理職の行為である方が周囲の理解を得られやすい現状であることは確かなのです。

今後も過去の投稿についての発展的な見解があれば示していきます。

 

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