こんなときは(労働条件)
〔第2章採用・異動等〕のうち、第1節採用について前回の続きです。 今回は採用に関して一番トラブルとなりがちな試用期間の規定について解説します。試用期間とは応募書類や面接などでは見極めきれなかった適性や能力を、一定期間働いてもらって本採用するか…
今回からは、労使間トラブルを防止するための就業規則〔第2章 採用・異動等〕について解説します。 採用・異動等のカテゴリーには、採用の他、異動等の内訳として①所属・職務の異動、②昇進・昇格および解任・降格、③出向・転籍、④休職・復職があります。こ…
直近2回の投稿で、就業規則を定める際の基本的注意事項を解説しました。今回からは具体的な就業規則の内容について考察します。 前回も記載しましたが、就業規則で明文化する順番は任意ですが、採用から退職に至る流れを章立てて記載すると分かりやすいでし…
前回、就業規則を定める際の基本的な事項について解説しました。今回はそれらの基本的な事項を踏まえたうえで、具体的に明文化する際の注意点について解説します。 就業規則を作成・運用する際は、以下の4つの点に留意する必要があります。 1. 法令の基準を…
就業規則とは、労働時間、休暇、賃金などの労働条件や、その職場で働く上で守るべき服務規律などを定めたものです。常時10人以上の労働者を雇用する事業場においては、就業規則を作成し管轄の労働基準監督署に届け出ることが必要です。これは労働基準法第89…
裁量労働制に関して新たな情報が公表されました。 全国労働組合総連合と労働法制中央連絡会は、先ごろ裁量労働制の実態調査結果を公表し、「裁量労働制を廃止すべき」との結論を示し、4万件余りの署名を国会に提出したというものです。高市政権が進める裁量…
労働時間規制の緩和に向けて、自民党が政府に対する提言案をまとめたようです。 内容は法改正を伴うものではなく、運用改善によって早期に実現できるものですが、少々違和感を覚えます。 先ず、現状の労働時間の制限は1日8時間、週40時間ですが、36協定を締…
年度末は、4月から新たな職場に転職するための退職者が増える時期です。 この時期問題になるのは、有給休暇の取得と業務引継ぎの関係です。労働者は残った有給休暇は可能な限り取得しようと考えますが、企業側は業務の引継ぎが完了していない状態で有給休暇…
前回、裁量労働制について触れましたので、今回は実務上盲点になりがちな裁量労働制と36協定との関係について考察します。 繰り返しになりますが、裁量労働制は特定の職種について、1日につき実際に働いた時間にかかわらず、労使であらかじめ取り決めした時…
先日の高市総理による施政方針演説では、「裁量労働制の見直し」について言及されました。一方で、連合の会長は「長時間労働を招きかねない」として反対の立場を強調しています。 しかし、筆者はこの双方の意見の対立はかみ合っていないと感じています。 高…
高市政権発足後掲げた「労働時間規制の緩和」の是非が議論になっています。そんな中、気になる記事を見つけました。 労働基準法32条では労働時間の上限を1日8時間、1週40時間と定めていますが、この時間を超えて労働させるには、同法36条による労使による協…
前回まで6回にわたり、労働基準監督署による調査の際の準備、心構え、対応方法などについて説明してきました。今回は一連のまとめで締めたいと思います。 労働基準監督署が調査を行い、企業に是正勧告や指導を行う目的は、もちろん法令違反を是正することに…
前回、36協定の内容に関わらず、時間外労働が1ヶ月45時間を超えている労働者がいた場合に指導票が交付される可能性があることを説明しました。そこで今回は、このような指導票が交付された時に、どのような是正報告書を提出すれば良いかを説明します。 前回…
前回まで、労働基準監督署の調査で是正勧告を受ける恐れがある事項について解説しました。総じて違法の認識がなくとも、勘違いによって法令違反となっている事項が多いでしょう。また、過去の調査では指摘されなかった点も、監督官が変われば違法を指摘され…
前回、家族手当や住宅手当を中途半端な基準で支給し、残業単価計算基礎から除外すると、是正勧告の対象になることを指摘しました。 少し補足すると、家族手当を残業単価計算基礎から除外するには、扶養家族の有無だけで金額を定めるのではなく、その人数に応…
労働基準監督署の調査が終了し、幸いにも指摘事項がなかった場合は、自信をもって今までの取り組みを継続しましょう。一方、指摘を受けた場合には改善が必要になります。 指摘事項には監督官名で「是正勧告書」もしくは「指導票」が交付されます。 是正勧告…
前回、労働基準監督署から調査の通知があった際の準備について説明しました。今回は、監督官が来社する調査当日の対応について解説します。 前回示した通り、指定された書類等は紙に出力し、インデックスなどを付けて見やすいようにファイリングしておきます…
それは突然やってきます。所管の労働基準監督署から調査についての通知です。 準備する書類等を用意し、指定された日時にその書類等を持参して労働基準監督署に出頭を依頼してくる場合と、事業所に調査のため訪問する日時を通知してくる場合があります。人事…
新しい自民党総裁の発言が注目を集めています。「ワークライフバランスという言葉を捨てる」という発言のことです。 ワークライフバランスとは、直訳すると「仕事と家庭生活の調和」のことで、仕事を最優先して家庭を顧みないとか、逆に仕事は収入を得る手段…
フレックスタイム制や在宅勤務の浸透により、働く時間や場所が柔軟になり、社員の休憩時間の管理が難しくなる場合があります。 休憩時間については、労働基準法第34条で、①労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上与えること、…
ゴールデンウィーク期間中、各行楽地は観光客で賑わっているようです。 今年は暦の並びの関係で、前半の連休と後半の連休の間の4日間休暇を取得すれば、最大で11連休となります。小売業やサービス業に従事する人は、この時期には休暇は取得しづらいでしょう…
ジョブ型雇用の労働者に対して、労働者の同意のない配置転換は違法とする昨年4月の最高裁判決の差し戻し審において、この度大阪高裁は、職種変更の合意を得るための働きかけなど「尽くすべき手続きを取っていない」として、事業主側に88万円の損害賠償を命…
日本企業の慣行として、8月のお盆の時期に「夏休み」を設けることが一般的です。ただし、休みの設定の仕方によって、同じ時間働いても賃金に差が出ることがあります。それには、「休日」と「休暇」の違いを正しく理解する必要があります。 休日とは労働の義…
先月、ジョブ型雇用で働く人に対する、別の職種への配置転換命令が可能かどうかを争った裁判で、労働者の同意がない状態での一方的な配置転換命令は違法とする最高裁判決が出ました。一審、二審では、職種限定の黙示による合意はあったが、配置転換命令は労…
フリーランスとして働く人が増えているようです。 フリーランスとは、企業等に所属しないで、個人で仕事を請け負う働き方の事です。ある調査では、1000万人以上がフリーランスとして働いていて、主な業種は、デザイン制作、インストラクター、配達、建設作業…
労働時間に関し、法定労働時間と所定労働時間の違いを理解しているでしょうか。 法定労働時間とは、労働基準法32条で定める「1日8時間、1週40時間」の労働時間の上限のことをいいます。この時間を超える労働に関しては、時間外労働の割増賃金支払い義務が生…
コロナ禍において、通勤ラッシュの密を避けるため、自転車通勤が注目されました。また、ちょうど健康志向やCO2削減の風潮とも相まって、一種のブームともなっています。 自転車通勤といえば今までも、最寄駅まで自転車でというケースはよくありましたが、最…
労使間でトラブルの原因となる事案の一つに、労働時間の問題があります。従業員から未払い残業代を遡って請求されたという話も時々聞かれます。 労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」であり、実際に労働している時間の他、指揮命…
今年7月20日に、定年後再雇用職員の待遇差を争った最高裁判決(名古屋自動車学校事件)が出ました。 判決では、定年後再雇用職員の基本給および賞与が、定年前の正規職員時の60%を下回り、旧労働契約法第20条違反であるとした一審、二審を破棄し、高裁に差…
社会の流れに沿って、副業・兼業を解禁しようとする企業にとって、一番気がかりなのは労働時間の通算問題ではないでしょうか。 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算され、勤務先が2箇所の場合でも、「1日…