こんなときは(人事制度)
しばらくこのテーマから遠ざかっていましたが、前回(101.人事制度の構築(31)賞与の有効活用 - 人事労務の「作法」)は社員のモチベーションを喚起する目的で、賞与を有効活用することを記載しました。 しかしながら、昨今の初任給はじめ月例給与のベース…
前回までで、賃金制度のうちの月例給与部分についての解説は一通り完了しました。今回は賃金制度を構成する二つ目の賃金である賞与について考えます。 賞与とは、一般的に毎月の月例給与とは別に、年2~3回に分けて支給される臨時の賃金のことで、支給基準は…
また、気になる記事を見つけました。 あるメガバンクでは、報酬制度を見直し、優秀な若手社員を抜擢するため、勤続年数に応じて昇進する仕組みを全廃するとのことです。その結果、勤続が長くても職務内容によっては減給となる人もいるようです。 しかし、若…
最近、気になる記事を見つけました。 ある調査では、賃金を決定する要素として個人の業績や成果を重視する割合が伸び悩んでいる一方で、年齢や勤続を重視する割合が増えているというものです。これだけを見ると、成果主義が衰退し、その反動で年功重視の賃金…
前回に続き、今回も管理職層の月例給について考えます。 繰り返しになりますが、複線型人事制度の展開においては、管理職層は下の図の通りマネジメント職とスペシャリスト職に分けて運用します。 そして、それぞれの月例給は、全社員共通の基礎生活給に、M1…
前回までは、一般社員層の月例給与の構成について解説してきました。今回は、管理職層の月例給与について考えます。 複線型人事制度を展開するうえでの体系図は、下の通り管理職層を「マネジメント職」と「スペシャリスト職」に分けて運用します。 マネジメ…
ある大手都市銀行では、定年再雇用者の賃金を最大4割上げ、年収1000万円も可能とする制度を導入するという新聞報道がありました。この銀行では元々定年は60歳であり、今回は定年年齢は変更せず、1年ごとの再雇用契約を締結する際に評価に応じて処遇を決定す…
前回は、同一職能等級内での昇給のルールについて説明しました。今回は、上位の職能等級への昇格のルールについて考えます。 職能等級制度における昇格基準は、一般的には「卒業方式」と「入学方式」があります。卒業方式とは、現在の職能等級で要求される職…
前回までに、基本給の構成は基礎生活給と職能給に分け、基礎生活給は全社員一律の金額とし、職能給部分だけ人事評価によって昇給(場合により降給)させるということを説明しました。 そこで今回は、職能給を昇給させるルールについて説明します。 職能給の…
今回は「人事制度の構築(25)」に引き続き、職能給テーブルの設定手順について解説します。 職能給テーブルを設定する際には、同一等級の中で号俸に応じて賃金レンジを設けた「レンジ方式」のテーブルとすることが一般的です。賃金レンジとは職能給の下限額…
今回は職能給テーブルの設定の仕方について考えます。 職能給テーブルのサンプルは、「人事制度の構築(22)」で示しましたが、具体的には以下のような手順でテーブルを設定しましょう。 先ず、等級の段階を何段階とするかですが、過去に等級制度について解…
今回は月例給与のうち、基本給以外の諸手当について考えます。 諸手当は、時間外労働手当や休日労働手当などの法律で支払いが義務付けられたもの以外は、企業が独自に支給の有無を決定できます。それだけに、それぞれの企業の思想が反映されやすい部分ですが…
今回も基本給の構成について解説します。 基本給は職能給が中心であることは間違いないところです。ただし、基本給を職能給一本で構成すると不都合な事もあります。 仕事給である職能給に加え、属人給的な部分も一定程度設けるのが良いという事までは前回記…
今回は月例給与の内の基本給部分について解説します。前回、基本給は等級制度や評価制度など他の人事制度との整合を図って組み立てるべきものであることを説明しました。このブログでは、筆者の見解として一般社員は等級制度において職能等級制度が適してい…
「マズローの欲求5段階説」とは、 アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱したモチベーション理論です。マズローによると、人間の欲求には低次のものから順に、「生理的欲求」、「安全の欲求」、「社会的欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」の5…
今回からは賃金制度の組み立てについて詳しく述べていきます。 賃金制度を構成する賃金とは、名称を問わず労働の対償として事業主が労働者に支払う全てのものをいい、一般的には月例給与、賞与、退職金を指します。このうち、先ずは月例給与について考えます…
人事制度を構成する三つの要素のうち、等級制度と評価制度についてはすでに見解を示してきました。今回からは三つ目の要素である賃金制度について考察します。賃金制度とは、企業が賃金をどのような思想や基準で社員に支払うかを体系立てたものです。賃金制…
前回までに評価制度において用いる評価要素は、「能力」、「行動」、「成果」、「情意」であることと、それぞれの要素の内容について述べてきました。今回は、これらの評価要素を具体的に評価につなげる手順について解説します。 繰り返しになりますが、 人…
今回は、人事評価の四つめの要素である「情意」について考察します。 情意とは、仕事に対する取り組み姿勢や勤務態度、意欲といった心の持ち方を意味します。今まで論じてきた評価要素である能力、行動、成果はこの情意の上に成り立っていると言っても過言で…
前回、目標管理制度(MBO)による目標の達成度を成果評価要素とすることを説明しました。また、公正な評価を行う上で、目標設定の注意点についても言及しました。 今回は、目標を設定してから評価に繋げる際の流れについて考えます。 先ず、 目標は少し背伸…
今回は、人事評価の三つ目の要素である「成果」について考察します。 前回、コンピテンシーについては、優れた成果を出すための行動特性であると定義しました。それでは、ここでいう成果とは何を指すのでしょうか。 成果とは企業活動の結果であり、具体的に…
今回は、人事評価の二つ目の要素である「行動」について考察します。 前回、行動要素については、コンピテンシーという概念で捉えるということを述べました。コンピテンシーとは、一般的には優れた成果を出す人に共通の行動特性という定義がされています。 …
評価制度を構築する上で、何を評価の要素として取り入れるかは、制度の根幹に関わる部分です。 045の記事において、人事評価の要素は「能力」、「行動」、「成果」、「情意」にある事を述べました。今回はこれらの評価要素について考察します。 先ず、一つ目…
人事評価は人が人を評価するものであり、評価者の感情や主観がどうしても入り込み、適切な評価が妨げられることがあります。このような評価の誤りを評価者エラーと呼びます。 代表的な評価者エラーは以下の通りです。 ①ハロー効果……際立つ特徴に目を奪われ、…
評価ランク決定の方式として、相対評価とすべきか絶対評価とすべきかという選択の問題は常に悩むところでしょう。 相対評価とは、能力や成果について、他者との比較で評価ランクを決定する評価方式です。例えば、上位5%の人がSS、続く20%の人がS、続く50%の…
今回は、評価ランクを設定する上での工夫について説明します。非常に些末な事ですが、ひと工夫する事で人事制度の目的である人材育成にも貢献でき、今後の見解を展開する上で何度も登場する事柄ですので、敢えて今回のテーマとして取り上げました。 評価ラン…
今回からは、人事制度を構成する二つ目の要素である評価制度について考察します。 評価制度に基づいて行う人事評価は、社員の処遇決定のツールですが、それだけに特化し過ぎると必ず不満が出てきます。厳しい評価をする事で社員のモチベーションが低下するこ…
働かないおじさんに批判が集まっているようです。 働かないおじさんとは、休憩が多い、新聞やインターネットばかり見ている、居眠りをしているなど、本当に働かない人だけでなく、真面目にコツコツと仕事をするが、新しいことにチャレンジせずに決められたこ…
今回は、前回示した複線型人事制度を盛り込んだ職能等級制度と役割等級制度の等級定義の仕方について考えます。 前回示した体系図において、一般社員層には職能等級制度を適用します。先ず、各等級における人材の定義を明確にします。例えば、入社したばかり…
複線型人事制度とは、一つの企業のなかに複数のキャリアコースを用意し、各社員の志向や適性に応じてコースを選べる制度の事です。 複線型の構成は各社の事情により千差万別ですが、キャリア志向面での区分としては、業務の中核を担い、責任と全国規模の転勤…