前回に引き続き、退職一時金と退職年金について説明します。 退職一時金とは前回記載した通り、一般的には従業員が退職する際に一定の金額が会社から直接支給されるものです。金額の決定の仕組みは、退職時点の基本給額に勤続年数に応じた係数を乗じて決定す…
高市政権発足後掲げた「労働時間規制の緩和」の是非が議論になっています。そんな中、気になる記事を見つけました。 労働基準法32条では労働時間の上限を1日8時間、1週40時間と定めていますが、この時間を超えて労働させるには、同法36条による労使による協…
人事制度を構成する三つの要素(等級制度、評価制度、賃金制度)のうち、最後の賃金制度についての説明の途中でしたが、前回までで賃金制度の中の月例給与と賞与について解説は一通り終了しています。今回は残りの退職金について考えます。 退職金の支給は義…
2026年がスタートしました。年末年始9連休のあと、今日が仕事始めという人も多いかと思います。 年末年始に限らず、休みが続いた後、翌日からの仕事のことを考えると、何となく憂鬱になるものです。特に初日が月曜日の場合はなおさらです。 このような症状が…
2025年も残すところあと数日となりました。今年も何とか週1回のペースでこのブログを更新することができ、安堵しています。 昨年末の投稿を読み返してみると、今年はブログ内容の充実とデザインの一新を目標に掲げていました。 内容については、今まで通り社…
年収の壁が2026年から178万円に引き上げられることが決定しました。当初、自民党はやや慎重な姿勢でしたが、国民民主党の「手取りを増やす」という主張に押し切られた形となりました。 過去の記事(085.「年収の壁」は103万円だけではありません - 人事労務…
前回まで6回にわたり、労働基準監督署による調査の際の準備、心構え、対応方法などについて説明してきました。今回は一連のまとめで締めたいと思います。 労働基準監督署が調査を行い、企業に是正勧告や指導を行う目的は、もちろん法令違反を是正することに…
前回、36協定の内容に関わらず、時間外労働が1ヶ月45時間を超えている労働者がいた場合に指導票が交付される可能性があることを説明しました。そこで今回は、このような指導票が交付された時に、どのような是正報告書を提出すれば良いかを説明します。 前回…
前回まで、労働基準監督署の調査で是正勧告を受ける恐れがある事項について解説しました。総じて違法の認識がなくとも、勘違いによって法令違反となっている事項が多いでしょう。また、過去の調査では指摘されなかった点も、監督官が変われば違法を指摘され…
前回、家族手当や住宅手当を中途半端な基準で支給し、残業単価計算基礎から除外すると、是正勧告の対象になることを指摘しました。 少し補足すると、家族手当を残業単価計算基礎から除外するには、扶養家族の有無だけで金額を定めるのではなく、その人数に応…
労働基準監督署の調査が終了し、幸いにも指摘事項がなかった場合は、自信をもって今までの取り組みを継続しましょう。一方、指摘を受けた場合には改善が必要になります。 指摘事項には監督官名で「是正勧告書」もしくは「指導票」が交付されます。 是正勧告…
前回、労働基準監督署から調査の通知があった際の準備について説明しました。今回は、監督官が来社する調査当日の対応について解説します。 前回示した通り、指定された書類等は紙に出力し、インデックスなどを付けて見やすいようにファイリングしておきます…
それは突然やってきます。所管の労働基準監督署から調査についての通知です。 準備する書類等を用意し、指定された日時にその書類等を持参して労働基準監督署に出頭を依頼してくる場合と、事業所に調査のため訪問する日時を通知してくる場合があります。人事…
退職代行サービス会社が、弁護士法違反の疑いで警視庁の家宅捜査を受けたとの報道がありました。 退職代行サービス会社のサービス内容は、退職希望者に代わって勤務先に退職の意思表示を行い、勤務先からの回答を依頼者に返すことが基本ですが、単に伝言だけ…
近年、業績が好調な企業においても、大規模なリストラ、いわゆる「黒字リストラ」が行われています。ある大手電器メーカーでも、従業員数の5%にあたる1万人規模の人員削減を行うという報道もありました。民間の信用調査会社の調べによると、2024年に希望退…
新しい自民党総裁の発言が注目を集めています。「ワークライフバランスという言葉を捨てる」という発言のことです。 ワークライフバランスとは、直訳すると「仕事と家庭生活の調和」のことで、仕事を最優先して家庭を顧みないとか、逆に仕事は収入を得る手段…
直近4回の記事で、メンタル不調からの復職にあたってのポイントを解説しました。そして最後の締めくくりとして、個々人の状況に応じた対応が必要と記載しましたが、補足すると、例えば復職の可否判断を労働者によって厳しくしたり緩めたりするということでは…
前回の続きから記載します。 主治医が現段階で休職前の業務に復帰することは難しいと判断した場合、一つの方法としては業務内容や所属部門を変更して復職させることです。 元の業務への復帰を前提に、軽作業というわけにはいかないですが、業務負荷軽減を考…
前2回において、メンタル不調からの復職時の理想的な手順とその際の想定外の事象について示しました。そこで今回は、想定外の事象が起きた際の現実的な対応方法について解説します。 まず、休職中の社員への連絡は基本的にはメールで行いますが、業務上使用…
前回、メンタル不調からの復職に向けての理想的な手順(127.メンタル不調からの復職 - 人事労務の「作法」)について示しました。しかし、このように順調に事が運ぶことは稀で、各段階でいろいろな予期せぬ事象が起きます。今回はそのような事象について示し…
突然メンタル不調により出社できなくなる社員への対応については、過去の記事(067.突然出社しなくなる社員への対応 - 人事労務の「作法」)に記載しました。事情が判明すれば、とにかく主治医に預けて治療と休養に専念させる事が重要です。 その上で、休職…
前回、賞与を会社業績にダイレクトに連動させる仕組みについて解説しました。(125.人事制度の構築(33) 賞与を会社業績にダイレクトに連動させる - 人事労務の「作法」) そこで次は、個人の勤務成績に応じて分配する仕組みについて解説します。 前回示し…
前回までにこのテーマで、賞与をモチベーションを喚起する目的でメリハリのある支給とすることを提案しました。(112.人事制度の構築(32)賞与はメリハリある支給を - 人事労務の「作法」 )その事業年度の業績のうちの一定部分を、個人の勤務成績に応じて…
全国的に暑い日が続く中、1週間後には社会保険労務士試験が実施されます。社会保険労務士に限らず、税理士や中小企業診断士も8月の暑い時期に試験が開催されます。会場となる大学の夏休みに合わせてのことなのでしょう。 筆者が受験した約30年前は、今ほど…
ある調査で「職場での無駄な業務」についてアンケートを実施したところ、約95%の人が「無駄な業務がある」と回答したそうです。 無駄な業務として一番回答が多かったのが、「朝礼への参加」だそうです。以下、順に「意味のない会議」、「必要性の低い資料作…
3回前の記事で「静かな退職」について解説(119.「静かな退職」を放置しないで - 人事労務の「作法」)しましたが、一方「静かな解雇(Quiet Firing)」という現象も起きています。 静かな解雇とは、企業が従業員を正式な手続きを踏んで解雇するのではなく、…
少々プライベートな話になりますが、筆者は仏像の鑑賞が趣味です。先日も奈良の諸寺の仏像を拝観してきました。仏像の芸術性に関しては別のブログで展開するとして、ここでは人事労務的な視点での仏像の見方を解説します。 今回の旅の目的の一つは、奈良東大…
定年退職とは、従業員が一定の年齢に達したことを理由に退職する制度で、現在は60歳以上とすることが義務付けられています。定年制度を設けるかどうかは企業の任意ですが、統計では95%以上の企業が定年制を設けており、そのうち70%以上は定年年齢が依然と…
「静かな退職」という現象が広がっています。 静かな退職とは、実際に退職するわけではなく、仕事に対する意欲を失った状態で、必要最低限の業務のみこなす働き方のことを言います。この考え方は、数年前にアメリカで生まれた「Quiet Quitting」という言葉が…
日本人選手の活躍の影響で、メジャーリーグの試合中継が放映されることが多くなり、筆者も時々見ることがあります。 試合中、日本向けの実況者や解説者が、メジャーリーグの監督には、選手としてはメジャーの経験がない人が多いことを話しているのを聞くこと…