人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を的確に解決します

158.労働時間規制緩和に向けた提言の違和感

労働時間規制の緩和に向けて、自民党が政府に対する提言案をまとめたようです。 内容は法改正を伴うものではなく、運用改善によって早期に実現できるものですが、少々違和感を覚えます。 先ず、現状の労働時間の制限は1日8時間、週40時間ですが、36協定を締…

157.毎年この時期の光景

毎年この時期になると、電車内にもオフィスビルのロビーにも新入社員の姿が目立つようになります。 別に、「私は新入社員です」といった名札を付けているわけでもないのに、真新しいスーツに身を包んでいるせいか、立ち振る舞いなど全体の醸し出す雰囲気でそ…

156.「年下上司」と「年上部下」問題の解決に向けて

前回、再雇用社員の扱いの難しさについて言及しましたが、ちょうどネットニュースにも、「年下上司」と「年上部下」の関係性について記事が出ていました。特に大企業の場合、約3割の企業でこのような現象が起きているようです。 そもそも企業内において、年…

155.再雇用社員の扱いをプロスポーツの観点から考える

野球のWBCで盛り上がっていた中、少し気になる話題がありました。 開幕前に選手間で食事会を開催した際、一番年長の選手が飲食代全額を一人で負担したという話です。その選手よりもはるかに高額年俸の選手がいたにもかかわらず。どうやら野球界では、年功的…

154.退職時の業務引継ぎへの備え

年度末は、4月から新たな職場に転職するための退職者が増える時期です。 この時期問題になるのは、有給休暇の取得と業務引継ぎの関係です。労働者は残った有給休暇は可能な限り取得しようと考えますが、企業側は業務の引継ぎが完了していない状態で有給休暇…

153.人事制度の構築(40) すべての企業に人事制度は必要です

前回までで、賃金制度を構成する月例給与、賞与、退職金についての解説は終了しました。同時に、2023年11月から「人事制度の構築」というテーマで不定期に投稿し続けてきた、人事制度を構成する三つの要素である等級制度、評価制度、賃金制度についての筆者…

152.裁量労働制適用下の36協定

前回、裁量労働制について触れましたので、今回は実務上盲点になりがちな裁量労働制と36協定との関係について考察します。 繰り返しになりますが、裁量労働制は特定の職種について、1日につき実際に働いた時間にかかわらず、労使であらかじめ取り決めした時…

151.裁量労働制の見直し議論の是非

先日の高市総理による施政方針演説では、「裁量労働制の見直し」について言及されました。一方で、連合の会長は「長時間労働を招きかねない」として反対の立場を強調しています。 しかし、筆者はこの双方の意見の対立はかみ合っていないと感じています。 高…

150.人事制度の構築(39) 確定拠出年金制度の組み立て

前回、退職一時金制度の組み立てについて説明しましたので、今回はもう一つの制度である確定拠出年金制度の組み立て方について考えます。 前回同様、退職金の総額を1500万円と想定し、退職一時金と確定拠出年金の構成比率を50対50とすれば、確定拠出年金で確…

149.人事制度の構築(38) 退職一時金制度の組み立て

前回、退職一時金と確定拠出年金を組み合わせる際のポイントについて説明しました。今回は、退職一時金制度の具体的な組み立て方について説明します。 近年の調査では、退職金の額が20年前に比べて500万円以上減額しているようです。また、大企業と中小企業…

148.人事制度の構築(37) 退職一時金と確定拠出年金の組み合わせ

前回、退職金制度の構成は、退職一時金と確定拠出型の退職年金「確定拠出年金(DC)」を組み合わせることを提案しました。今回は、二つの制度の組み合わせのポイントについて解説します。 先ず、退職年金部分を確定拠出年金とする理由は、退職年金が確定給付…

147.人事制度の構築(36) 退職一時金と退職年金

前回に引き続き、退職一時金と退職年金について説明します。 退職一時金とは前回記載した通り、一般的には従業員が退職する際に一定の金額が会社から直接支給されるものです。金額の決定の仕組みは、退職時点の基本給額に勤続年数に応じた係数を乗じて決定す…

146.労働時間規制緩和は実現するか

高市政権発足後掲げた「労働時間規制の緩和」の是非が議論になっています。そんな中、気になる記事を見つけました。 労働基準法32条では労働時間の上限を1日8時間、1週40時間と定めていますが、この時間を超えて労働させるには、同法36条による労使による協…

145.人事制度の構築(35) 退職金も賃金の重要な一部です

人事制度を構成する三つの要素(等級制度、評価制度、賃金制度)のうち、最後の賃金制度についての説明の途中でしたが、前回までで賃金制度の中の月例給与と賞与について解説は一通り終了しています。今回は残りの退職金について考えます。 退職金の支給は義…

144.受援力を身に付けましょう

2026年がスタートしました。年末年始9連休のあと、今日が仕事始めという人も多いかと思います。 年末年始に限らず、休みが続いた後、翌日からの仕事のことを考えると、何となく憂鬱になるものです。特に初日が月曜日の場合はなおさらです。 このような症状が…

143.今年も無事年末を迎えました

2025年も残すところあと数日となりました。今年も何とか週1回のペースでこのブログを更新することができ、安堵しています。 昨年末の投稿を読み返してみると、今年はブログ内容の充実とデザインの一新を目標に掲げていました。 内容については、今まで通り社…

142.年収の壁引き上げの次は労働時間規制緩和を期待します

年収の壁が2026年から178万円に引き上げられることが決定しました。当初、自民党はやや慎重な姿勢でしたが、国民民主党の「手取りを増やす」という主張に押し切られた形となりました。 過去の記事(085.「年収の壁」は103万円だけではありません - 人事労務…

141.労働基準監督署の調査対応は健康経営そのものです

前回まで6回にわたり、労働基準監督署による調査の際の準備、心構え、対応方法などについて説明してきました。今回は一連のまとめで締めたいと思います。 労働基準監督署が調査を行い、企業に是正勧告や指導を行う目的は、もちろん法令違反を是正することに…

140.指導票を労働環境の改善に利用しましょう

前回、36協定の内容に関わらず、時間外労働が1ヶ月45時間を超えている労働者がいた場合に指導票が交付される可能性があることを説明しました。そこで今回は、このような指導票が交付された時に、どのような是正報告書を提出すれば良いかを説明します。 前回…

139.労働時間に関しては指導票が交付されます

前回まで、労働基準監督署の調査で是正勧告を受ける恐れがある事項について解説しました。総じて違法の認識がなくとも、勘違いによって法令違反となっている事項が多いでしょう。また、過去の調査では指摘されなかった点も、監督官が変われば違法を指摘され…

138.雇用契約書、労働条件通知書の不備に注意

前回、家族手当や住宅手当を中途半端な基準で支給し、残業単価計算基礎から除外すると、是正勧告の対象になることを指摘しました。 少し補足すると、家族手当を残業単価計算基礎から除外するには、扶養家族の有無だけで金額を定めるのではなく、その人数に応…

137.労働基準監督署からの指摘事項

労働基準監督署の調査が終了し、幸いにも指摘事項がなかった場合は、自信をもって今までの取り組みを継続しましょう。一方、指摘を受けた場合には改善が必要になります。 指摘事項には監督官名で「是正勧告書」もしくは「指導票」が交付されます。 是正勧告…

136.労働基準監督署がやってきた!

前回、労働基準監督署から調査の通知があった際の準備について説明しました。今回は、監督官が来社する調査当日の対応について解説します。 前回示した通り、指定された書類等は紙に出力し、インデックスなどを付けて見やすいようにファイリングしておきます…

135.労働基準監督署がやってくる!

それは突然やってきます。所管の労働基準監督署から調査についての通知です。 準備する書類等を用意し、指定された日時にその書類等を持参して労働基準監督署に出頭を依頼してくる場合と、事業所に調査のため訪問する日時を通知してくる場合があります。人事…

134.退職代行サービス会社の弁護士法違反疑惑について

退職代行サービス会社が、弁護士法違反の疑いで警視庁の家宅捜査を受けたとの報道がありました。 退職代行サービス会社のサービス内容は、退職希望者に代わって勤務先に退職の意思表示を行い、勤務先からの回答を依頼者に返すことが基本ですが、単に伝言だけ…

133.黒字リストラを機能させるために

近年、業績が好調な企業においても、大規模なリストラ、いわゆる「黒字リストラ」が行われています。ある大手電器メーカーでも、従業員数の5%にあたる1万人規模の人員削減を行うという報道もありました。民間の信用調査会社の調べによると、2024年に希望退…

132.ワークライフバランスを捨てるわけではありません

新しい自民党総裁の発言が注目を集めています。「ワークライフバランスという言葉を捨てる」という発言のことです。 ワークライフバランスとは、直訳すると「仕事と家庭生活の調和」のことで、仕事を最優先して家庭を顧みないとか、逆に仕事は収入を得る手段…

131.職場復帰支援プログラムを策定しましょう

直近4回の記事で、メンタル不調からの復職にあたってのポイントを解説しました。そして最後の締めくくりとして、個々人の状況に応じた対応が必要と記載しましたが、補足すると、例えば復職の可否判断を労働者によって厳しくしたり緩めたりするということでは…

130.メンタル不調からの現実的な復職対応(その2)

前回の続きから記載します。 主治医が現段階で休職前の業務に復帰することは難しいと判断した場合、一つの方法としては業務内容や所属部門を変更して復職させることです。 元の業務への復帰を前提に、軽作業というわけにはいかないですが、業務負荷軽減を考…

129.メンタル不調からの現実的な復職対応(その1)

前2回において、メンタル不調からの復職時の理想的な手順とその際の想定外の事象について示しました。そこで今回は、想定外の事象が起きた際の現実的な対応方法について解説します。 まず、休職中の社員への連絡は基本的にはメールで行いますが、業務上使用…

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