前回に引き続き、退職一時金と退職年金について説明します。
退職一時金とは前回記載した通り、一般的には従業員が退職する際に一定の金額が会社から直接支給されるものです。金額の決定の仕組みは、退職時点の基本給額に勤続年数に応じた係数を乗じて決定するものや、役職や社内等級に応じたポイントを毎年積み上げて、退職時のポイント総数に別に定めたポイント単価を乗じて決定するものなど様々です。退職理由が会社都合か自己都合かによって支給額を変えることも可能です。総じて、勤続年数が長いほど、役職や社内等級が高いほど金額が大きくなる傾向にあります。
また、早期退職制度(いわゆるリストラ)を実行する際に、年収の何年か分を上乗せして支給するのも退職一時金に該当します。
一方、退職年金は、一般的には退職金の原資となる掛金を社外の金融機関等に積み立てて運用し、退職後に年金資産を分割して受け取る仕組みのものです。受け取り方法は規約によって定められ、10年分割や20年分割、あるいは終身年金として受け取る設定も可能です。年金として分割しての受け取りに代えて、一括で受け取ることも規約で定めれば可能となります。
退職年金には確定給付型と確定拠出型の制度が存在します。
確定給付型は、退職一時金のように、勤続年数や基本給額、役職などの要素に応じて支給額を決定するものですが、その原資は金融機関に積み立てる掛金に一定の運用益を見込んで計算されます。仮に運用環境が悪い場合は、不足する額を企業が追加で補填しなければなりません。
一方、確定拠出型は、勤続年数や役職などに応じて一人一人の掛金を決定し、その掛金を基に運用は従業員自身が行うものです。支給額は従業員の運用成果次第で、仮に運用に失敗しても会社からの補填はありません。
このような特徴のある退職一時金と退職年金ですが、では、どのような制度を設けるのが良いかについては、それぞれの制度のメリット、デメリットを考慮することが良いでしょう。
退職一時金は制度の組み立ての自由度がありますが、支払いが集中すると資金繰りや損益が悪化します。退職年金は費用化を分散できますが、確定給付型は運用環境が悪いときに追加の負担が発生し、確定拠出型は従業員が上手く運用できるか不安です。
結論としては、退職一時金と確定拠出型の退職年金を組合わせることを筆者は提案します。
次回、提案内容を具体的に示します。