前回、退職一時金制度の組み立てについて説明しましたので、今回はもう一つの制度である確定拠出年金制度の組み立て方について考えます。
前回同様、退職金の総額を1500万円と想定し、退職一時金と確定拠出年金の構成比率を50対50とすれば、確定拠出年金で確保する金額は750万円となります。ただし、確定拠出年金は、受取額は確定せず、掛金(拠出額)のみが確定している制度ですので、受取額は従業員の運用成果次第で変動します。よって、制度設計上は、掛金を決定する基準と運用の目安である想定利回りを定め、その掛金を毎年想定利回り通りに運用できれば定年時に750万円に到達するように設計します。
先ず掛金を決定する基準については、退職一時金の場合は、勤続年数と社内等級に応じて金額を積み上げるシンプルな仕組みとしましたが、確定拠出年金の掛金は、社内等級とその等級内での人事評価結果に応じて金額が決定する仕組みとしましょう。
等級が上位になるほど、また、人事評価結果が上位のランクほど掛金の金額を大きくします。各等級と人事評価結果のランクごとの掛金一覧表を作成するのです。
次に、運用の目安となる想定利回りについてですが、最近では2%前後(1.5%~2.5%)とする例が多いようです。あまり高めに(例えば3%とか)設定すると、750万円に到達するために従業員が相応のリスクを取らざるを得なくなり、元本割れが起きることも考えられれます。逆に想定利回りを低く(例えば1%とか)設定すると、企業側の掛金負担が増えます。
確定拠出年金も退職一時金同様に、管理職手前まで昇格する前提で、しかも標準的な人事評価結果(5段階評価の中位)を取り続けるモデルケースを設定し、掛金を想定利回り通り(例えば2%)で運用すれば定年時に750万円に達するように設計するのです。この辺りの設計にはコンサルの手が必要になるかもしれません。
制度設計が完了すれば、運営管理機関となる銀行や保険会社と契約し、運用商品を選定し、厚生労働省に提出する規約を作成し認可を得る必要がありますが、これは運営管理機関がサポートしてくれます。
重要なのは、従業員に対する投資教育を確実に行うことです。特に、資産運用の経験が浅い従業員が多い場合には、リスクコントロールの方法を重点的に、制度導入時だけでなく、定期的に継続教育を行うことが必要です。
